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シェムリアップ川の東側に位置するワットボーエリアにMakersはあります。静かで居心地もよく、パブストリートにも近く、それでいて夜な夜な繰り広げられるパーティの喧騒からは遠い場所です。在住外国人にも人気の住宅地として知られています。静かで緑も多く、交通量も少ないです。
シェムリアップだけでなく、カンボジアは大きな変化の渦中にいます。パンデミックの影響にも関わらず、多くの公共工事が進行中です。ワットボーエリアも例外ではありません。パンデミック以前は、ワットボーエリアの幹線道路沿いには多くの店が開店し近隣住民は、パブストリート周辺のように、この土地の良さが失われてしまうのではないかと危惧していました。
Makersの前には細い道路があります。太い道路につながっていますが、もう一方は突き当たりです。この道は細く、夜だとトゥクトゥクの運転手も見失うほどです。雨が降れば洪水になり、泥だらけになります。交通量はほとんどありません。交通事故の心配もなく、道沿いの住人は子供たちを道路で遊ばせています。しかし、それも近い将来に変わりそうです。
開発が始まる
今朝、部屋にいると若い女性が尋ねてきました。彼女は大家さんの娘で、母親と弟を連れてプノンペンからはるばるドライブしてきたところでした。訪問の理由は、政府職員と話をするためでした。政府はこの小さな道を拡張し、新しい道路を建設するのだそうです。道路沿いの土地の所有者は、拡張に必要な土地を差しだし、補償金もないそうです。この静けさを好むひともいれば、新しい道路がより多くの観光客やビジネスチャンスをもたらすと考えるひともいます。すでに平行して走る広い道路もあるため、おそらくその道路が主要道路でありつづけるでしょう。
「この道にこんなに人が集まったのは初めてだ」と近所のひとは言います。政府職員とエンジニアは事前調査を実施し、住民との話し合いに応じていました。近所の人は自分のために翻訳をしてくれます。ですが、東南アジアではめずらしくないように、物事は最後の瞬間まで明確にならないのが日常ですので、すべて「話半分」で聞いていました。どっちにしろ、自分にできることは特にありませんから。
他の場所での工事の様子を観察していると、道を舗装する際には埋設された水道管の改修もするようです。水道管の改修で水道水へのアクセスが改善されます。2、3階建ての建物には、たいてい屋上に貯水タンクがあります。水道の水圧が低いため、屋上まで水を送るのが困難なのです。新しい水道管に変われば水圧を上昇させることができます。住民にとっては大きな改善です。
変化を恐れるひともいますが、一般的には変化に希望を見出すひとが多いです。この国はまだまだ貧しいですし、問題も山積していますが、国民は未来に期待を抱いています。
この国はあまりに長い間戦争ばかりでした。そろそろ希望のある未来が来てもいい頃です。