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地元の生徒に電子工作を教えるクラスをはじめてしばらくたちました。生徒は全部で4人で、電子工作もプログラミングもまったく知りませんでした。毎週末、2時間のクラスを教えています。
このコースでは電子工作の基本、電圧、電流、抵抗などの基本を教えます。ブレッドボー ドで回路を作ったり、電圧や電流を測るマルチメーターの使い方、LEDの仕組み、ユニバーサルボードでのはんだ付けなどを学びます。先週はついにマイクロコンピュータのプログラムを書くところまでたどり着きました。
このコースの目標は、電子回路の基本を理解し、外部(例えばスイッチやセンサーなどから)入力を受け取りと外部に出力するプログラムを書けるようになることで、つまりはmaker (ものづくりを実践するひと)になることです。
このクラスで使っているリソースを紹介しましょう。
- Simple Circuits & Measurements Fundamentalsは、コロラドボルダー大学が公開しているおり、電子回路の基礎を学べます。
- CODE.orgは、プログラミング初学者に「プログラミング」の概念を説明するのに使います
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tinkercad.comは、Arduinoによるプログラミングとシミュレーションに使います。
- makecode.microbit.orgは、Micro:bitのプログラミングとシミュレーションに使います。
クラスで受け入れられるのは4人から最大でも5人で、ラップトップコンピュータを持参する必要がありますが、コンピュータがない生徒のためのコンピュータも用意しています。必要な教材や機材は無料で提供し、10分の休憩をはさんで2時間のクラスです。
コースの概要はElectronics Basic Courseのページで見られます。
自分は教師ではありませんから、教えると同時にクラスから学んでもいます。理解できるとしても、それを教えられるかは別問題です。自分がプログラミングをはじめて学んだのはずっとむかしのことですし、初学者がプログラミングのどこで躓くのかもわかりません。このクラスは自分にとって学ぶ場でもあります。
クラスを通じて学んだこと
理論は — 重要とはいえ — つまらないものです。 オームの法則 は避けて通ることのできない法則の一つですが、必要になったときに実際の回路を使って学ぶほうが効果的に見えます。
学んだ成果が見えることが大事で、どんなにシンプルなものでもいいので、成果が見えるものを作るのが大事でした。
学生は手を動かして学ぶのを好み、中でもブレッドボードを使った回路の作成やはんだ付けはとりわけ人気がありました。
実験している最中は — 特に実際の回路を使った実験は — とても注意が必要でした。事故や怪我を防止するには、電源アダプタや安定化電源などを使わず、バッテリーを使います。
USBケーブルから電源を得る場合は、コンピュータのUSBポートに接続するのではなく、 小さな外部USBバッテリーを使います。万が一回路をショートさせたときでもコンピュ ータに被害を与えないためです。これには、小さな1セルの18650USBバッテリーを使います。
今後について
まずは、もう少し生徒を増やすことですが、数人とはいえ安全を確保したり、それぞれの生徒の知識に応じて教えるのはなかなか大変です。
次に、すでに基礎を学んだ生徒向けに、実際に動作するものを作るクラスが必要です。 モーションセンサーを使ったスイッチなどを考えています。完成品に必要なケースを設計するのに3Dモデルのデザインや3Dプリンターの使い方も含めたいところです。
最後に、ネットワークを使ったデバイスの設計と、ネットワークおよびTCP/IPの基礎を教えたいところです。おそらくそう簡単ではないでしょう。
進捗については随時blogででお知らせしたいと思います。